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​※当時の文章をそのまま記載しています。現在とは状況が異なる場合がございますので、ご了承ください。

ボストン・コンテンポラリー・アート美術館

2003年8月14日

ボストン・コンテンポラリー・アート美術館(Institute of Contemporary Art)にて特別展示「Pulse: Art・Healing and Transformation」が開催されています。この美術館はあまり観光スポットとして知られていませんが、今、同館の展示がちょっとした話題を呼んでいるのを知っていますか。「Pulse: Art・Healing and Transformation」と名づけられたその展示では、15名の国内・国外アーティストたちがアートを創りあげるプロセスと、そこで得られる癒しについて考え、独自のアートフォームで表現しています。

Cai Guo-Qiangの「A cure when ill, a supplement when healthy」では、鍼術、足の反射学、漢方薬を混合した相互的な展示物で、サイズの違った石が敷き詰まれた道を歩いていくと、最後にハーブ入りのドリンクなどを購入できる自動販売機にたどり着きます。「創作と癒し」というテーマからは少しずれていますが、疲れた体を癒してくれる展示には間違いありません。というのは、この石畳の道、見事につぼを刺激してくれて、何とも気持ちが良いのです。横の壁には足の裏と体の内臓が描かれていて「痛いな~」と思いつつ、何処が悪いんだろうと考えてしまいました。フィルムでの参加は、Bill T. Jonesとマルチメディア・アーティスト Gretchen Benderが共同プロデュースしたメStill/Hereモ。命に関わる病気を体験した11名のアーティスト達がワークショップで創作したダンスを披露しています。抽象的ですが、病に対するフラストレーションを表したような表現もあり、私だけでなく、多くの人がフィルムに見入っていました。心を癒すアートを創ることができるのは、その様なアートを必要としたという意味であり、今回の展示に参加している多くのアーティストは、過去に大病を経験したか、近しい人を亡くした人たちばかりです。既に亡くなったアーティストもいて、感慨深いものがありました。

ボストン・コンテンポラリー・アート美術館は、地下鉄Hynes Convention Center/ICAから徒歩1分。ボイルストン・ストリートの消防署の隣にあります。現在、サウス・ボストンのウォーターフロントに新しい館を建築中で、2005年には移転する予定なので、ぜひ、このオリジナルの美術館を訪れてみて下さい。「Pulse: Art, Healing and Transformation」は8月31日まで。美術館のオープン時間やチケット料金についての詳細はhttp://www.icaboston.org/ を御参照ください。 

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